本記事では格安SIMにおける「低速モード」について解説します。
一口に低速モードといっても、様々な意味合いがあるので、その内容の違いや活用方法などについて、分かりやすく紹介していきます。
低速モードとは?
実は低速モードは一部を除き、ほとんど全ての通信サービスで提供されています。
そもそも低速モードとはいったい何なのか?がわかると、「ほとんど全ての通信サービスで提供している」という意味が見えてくるはずです。
低速モードはそのプランの「素」の通信速度のこと
モバイル通信の多くは、契約している月間のデータ容量に応じた料金が設定されています。
例えば、○○モバイルでは3GB/月=990円や、××通信では10GB/月=2,980円などです。
この料金プランの仕組み言い換えると、データ容量を有料で購入していることになり、購入したデータ容量を使い切ると速度がグンと遅くなりますが、この通信速度が遅くなった状態こそが、このプランの素のスピードであり、低速モードの正体です。
ただ、料金プランはデータ容量を使い切ったからといって完全に通信を遮断してしまうことはできません。
完全遮断してしまっては他の人からのメールも届かなくなりますし、返信することもできず、それでは緊急の際などに困るので、最低限の通信は可能にしておく必要があります。
この最低限の事ができるだけの通信こそが本来の低速モードなので、ほとんどの通信サービスが提供している、というわけです。
いわゆる一般に言う低速モードは、契約しているデータ容量を超えた際に速度制限されてしまったもの、という理解をしている方が多いと思います。
本来、データ容量を使い切った場合に最低限の通信として提供されていたものなので遅くて当たり前です。
ただし、最近では低速モードも高速化されている傾向で、300kbpsや1Mbpsといった速度での提供も増えており、実用性が増して使い勝手も向上しています。
低速モードで実際に使える機能
せっかく提供されている低速モードですが、使い方次第ではデータ消費がかなり節約できるので上手に活かしたいですよね。
ここでは、低速モードにどの程度の実用性があって、どのようなコンテンツなら利用可能なのかを見ていきましょう。
YouTubeは低速モードでも視聴可能?
こちらはYouTubeヘルプが公式に推奨する解像度ごとの通信速度です。
最も解像度の低い360pでは、通信速度は0.7Mbps(≒717kbps)を推奨しています。
より低速な56kbpsでも240pであれば視聴が可能であることを明記しています。
つまり、YouTubeの公式見解としては、モバイル通信の低速モードで一般的な128kbpsであっても動画は視聴可能であるというわけです。
速度ごとの利用可能コンテンツ
ここでは一般的に言われているコンテンツごとに必要な通信速度について見ていきましょう。
コンテンツ | 低速モードでの利用 | 推奨される通信速度 |
LINEのやりとり(テキストのみ) | ◎ | 200kbps以下 |
LINEのやりとり(テキスト+画像) | 〇 | 200kbps |
ブログ閲覧 | △ | 300kbps |
低解像度の動画(240P) | △ | 300kbps |
高画質の画像 | △ | 1Mbps |
高解像度の動画(2080P) | × | 5Mbps |
オンラインゲーム | × | 20Mbps超 |
テキストだけのLINEなどであれば低速モード200kbpsまでも必要がない程度です。
画像の添付などをすると少し時間はかかるかもしれませんが、200kbpsでも送受信可能です。
ブログの閲覧は画像が多くないものであればさほど速い通信速度でなくても閲覧できますし、前項のYouTubeヘルプの見解では、240p解像度の動画なら300kbpsで視聴可能となっています。
ブログ以外のWEBサイトで、特に高画質でないケースでは1Mbpsあれば十分閲覧可能でしょう。
ただし、高解像度動画や4K動画、オンラインゲームなどを低速モードで利用するのは現実的ではありません。
低速モードの快適性をアップする「バースト転送機能」
低速モードには利用を快適にするための機能「バースト転送」を備えている場合があります。
スマホを快適に使用するにはデータを読み込む速さが重要ですが、低速モードでは通信速度が遅いためどうしてもデータ読み込みが遅く、快適に利用できなくなってしまいます。
しかし、バースト機能を搭載することで、通信の始めの部分だけ「高速通信」を行いデータ読み込みを補うことができます。
メールやSNSトークなど軽めのデータであれば最初の高速通信で全てのデータを読み切ってしまいますし、動画などの大きなデータでも高速通信で多くのデータを読み込んでおくため、低速だけでの読み込みよりも表示や再生がスムーズになるのです。
一部の通信サービスで提供されていますので、通信会社を選ぶ際に1つのチェックポイントにしてもよいと思います。
通信速度がさらに遅くなる「3日間制限」に注意
データ容量を消費せずに利用できる低速モードですが、提供している格安SIM全てが無制限で使い放題というわけではありません。
公共の資産である電波の公平利用の観点から、3日間で一定の通信量を超えると通信制限が課される場合があり、これを通称「3日間制限」「3日間あたりの通信規制」などと呼びます。
128kbpsであればテキストのやりとり等、最低限の利用は可能ですが、32kbpsなどになってくるとそれもかなり遅く感じるようになってしまいます。
低速モードがある格安SIMおすすめ8社を紹介
低速モードの事は大体分かったかと思いますので、ここからは低速モードへの切り替え機能を提供している格安SIMを紹介させていただきます。
- UQモバイルの節約モード
- IIJmioの低速モード
- mineoの低速モード
- OCNモバイルONEの節約モード
- 楽天モバイルの低速モード
- イオンモバイルの低速通信
- エキサイトモバイルの低速通信
- ロケットモバイルの常時低速モード
UQモバイル
UQモバイル 料金プラン概要 | |||
ミニミニプラン | トクトクプラン | コミコミプラン | |
月額基本料 | 2,365円 | 2,277円・3,465円 | 3,278円 |
月額基本料 (最大割引時) |
1,078円 | 990円・2,178円 | 割引無し |
データ量 | 4GB | 1GB・15GB | 20GB |
低速時速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | ||
無料通話 | 付帯なし | 10分以内通話無料 | |
データ繰り越し | ◯ | ||
5G対応 | ◯ |
UQモバイルは元々auと同じKDDI傘下のMVNOで、その当時から低速モードを提供していたため、auに吸収されてサブブランドとなった現在でも提供を継続しています。
UQモバイルでは、データ通信速度が最大300kbpsの節約モードを「ミニミニプラン」のみ提供しています。
一般的な低速時の通信速度が128kbpsなので、それと比べると2倍以上の速度ですね。
そして、容量の大きい「コミコミ・トクトクプラン」については、データを使い切ってしまった後の速度制限時に1Mbpsで利用可能です。
特別に大きなファイルや高負荷のオンラインゲームでもない限り、遅くて使いものにならない…ということは少ない速度ですよ。
しかもauのサブブランドで品質も高いので、場所や時間帯による速度低下もほとんどなく、低速モードと言えども快適な通信環境を提供しています。
もちろんデータ容量は消費しないですし、節約モードで使えるデータ容量に上限は無いので、実質無制限で使えますよ。
IIJmio
IIJmio 「ギガプラン」概要 | ||||||||
月額基本料 | 850円 | 990円 | 1,500円 | 1,800円 | 2,000円 | 2,700円 | 3,300円 | 3,900円 |
データ量 | 2GB | 5GB | 10GB | 15GB | 20GB | 30GB | 40GB | 50GB |
低速時速度 | 300Kbps | |||||||
通話料 | 11円/30秒 | |||||||
データ繰り越し | ◯ | |||||||
5G対応 | ◯ |
技術力に定評があり高品質な通信サービスを提供するIIJmioは、ドコモ回線/au回線で低速モードを提供しています。
IIJmioの低速モードは、バースト転送機能付きの300kbpsの低速モードを提供しています。
ただし、他社より100kbps速いことになっていますが、実効速度は理論値ほど出ていないという評判が多めですので、低速時の快適さを求めるとガッカリすることになるかもしれません。
通信技術力の高さには定評があるのですが、通信速度に関してはあまり速さを追い求めていないようで、高速通信の方も他社比較であまり速いとは言えないのは残念なところです。
IIJmioの低速モードは「3日間制限」が設けられており、3日間の上限は366MBです。
mineo
mineoは、関西電力グループの「オプテージ」が運営するMNVOで、ドコモ/au/Softbankの3回線の格安通信サービスを提供するマルチキャリア格安SIMです。
mineo 「マイピタ」概要 | ||||
月額基本料 (音声SIM) |
1,298円 | 1,518円 | 1,958円 | 2,178円 |
月額基本料 (データSIM) |
880円 | 1,265円 | 1,705円 | 1,925円 |
データ量 | 1GB | 5GB | 10GB | 20GB |
低速時速度 | 200Kbps | |||
通話料 | 22円/30秒 | |||
データ繰り越し | ◯ | |||
5G対応 | ◯ |
mineoでは、任意で低速モードを利用可能で、バースト転送機能を備えた最大200kbpsの低速モードを提供しています。
また、通常の低速モードは200kbpsですが、有料オプションの「パケット放題Plus」(月額385円・10GB以上は無料)を利用している場合には低速でも最大1.5Mbpsで利用可能です。
ただし、「パケット放題Plus」の場合、3日間の通信量が10GBを超えると200kbpsに速度が制限されるで要注意です。
なお、通常の低速モードは3日間制限が適用されないため比較的自由に利用することができます。
マイそくという選択肢もある
マイそくはmineoが提供する料金プランの1形態で、平日の12~13時の通信速度が制限される代わりにデータが使い放題になるサービスです。
プラン名 付帯機能 通信速度 月額料金 スーパーライト 音声通話のみ 最大32kpbs 250円 ライト データ通信/音声通話 最大300kpbs 660円 スタンダード データ通信/音声通話 最大105mpbs 990円 プレミアム データ通信/音声通話 最大3mpbs 2,200円
以上4つのプランから自分のスタイルに合わせて選択可能です。
※上記リンクからのみ特典が適用されます
※お試し200MBコース、マイそくスーパーライトは特典対象外です
楽天モバイル
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」概要 | |||
月額料金 | 1,078円 | 2,178円 | 3,278円 |
データ容量 | 3GBまで | 3~20GBまで | 20GB以上 |
通話料 | 国内通話無料(Rakuten Link使用時) 22円/30秒(標準アプリ使用時) |
||
5G対応 | ◯ |
楽天モバイルは以前低速モードを提供していましたが、2023年6月から提供された「楽天最強プラン」になってから低速モードがなくなりました。
最強プランの提供前は、楽天エリア外で接続されるパートナー回線が5GBまでしか使えなかったので低速モードがあったのですが、最強プランだとパートナー回線でも無制限で使えるようになったからです。
楽天エリア内・エリア外問わず無制限でデータが使えるため、そもそも低速通信自体を利用しなくても良いですよ。
イオンモバイル
イオンモバイルもドコモ回線/au回線のサービスを提供するマルチキャリアですが、それぞれの回線でバースト転送機能付き最大200kbpsの低速モードを提供しています。
イオンモバイルの低速モードでは、タイプ1(音声通話機能付き)のSIM(ドコモ/au回線)の場合、3日間で366MBの転送上限を設けており、これを超えた場合には、200kbpsよりもさらに遅い速度に制限がかかる場合があります。
エキサイトモバイル
同じNTTグループの企業ということで、ドコモ回線のみを提供する格安SIMですが、バースト転送機能を備えた最大200kbpsの低速モードの提供を行っています。
エキサイトモバイルでも、3日間で366MBの転送上限を設けており、超過の場合にはさらに速度が制限されます。
ロケットモバイル
ロケットモバイルの「神プラン」は、通信速度最大200kbpsでデータ容量無制限で利用できるプランですが、月額328円の利用料金がかかります。
「神プラン」は高速データ通信容量を購入することはできず、「常時低速プラン」として常に最大200kbpsでしか通信できない「使い放題プラン」です。
他社の高速通信と低速通信を使い分けるような低速モードとは少し内容が異なりますが、最大200kbpsしか出ないことが許容できるのであれば、非常に割安な使い放題プランと言えます。
ロケットモバイル公式サイト【おすすめアプリ】広告ブロック「アドクリーナー」で通信量も節約!
色々なWEBサイトを閲覧していると必ずといっていいほど出てくる「広告」ですが、煩わしいだけでなくデータ通信量を増やしてしまうというデメリットもあります。
意図せずにクリックしてしまうと見たくないページが表示されたり、最近は詐欺広告なども多いので、できるだけ広告は非表示にしたいですよね。
そんな方におすすめのアプリが「AD Cleaner(アドクリーナー)」です!
アプリをインストールして機能をONにするだけで、ブラウザアプリの広告がブロック出来てしまいます。
月額330円と手軽なので、広告の表示に悩んでいる方はぜひ一度試してみてください!
まとめ
以上、今回は低速モードについての解説をさせていただきました。
- 低速モードはそのプランの「素」の通信速度
- 任意で低速モードに切り替えできる格安SIMがある
- 低速モードの快適性をアップする「バースト転送機能」
- 通信速度がさらに遅くなる「3日間制限」に注意
本来低速モードは契約しているデータ容量を超えてしまった場合に、最低限の利用ができるように備えられている機能ですが、これを任意に使う事で容量を消費せずに節約できるのは嬉しいですね。
特に格安SIMは月額料金を大幅に節約できますので、なるべく安くするために小容量の契約を検討している方も多いのではないでしょうか。
ただそれですとすぐに制限がかかって快適に利用できないので、節約モードを上手に活用したいところです。
各社速度や機能が異なるので、自分に一番合っていると思うものをぜひ検討してみてください。
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