LINEが登場する前の主要な連絡手段といえばメールで、キャリアメールをメインアドレスとして使用していた方、また、現在も使用している方も多いのではないでしょうか?
メールアドレスを変更するという事はそのアドレスで登録している各種ウェブサービスの登録情報変更や、知人等へ知らせる必要などがあるので可能な限り行いたく無いものです。
そのため、現在キャリアメールを利用してる方はLINEMOや格安SIMなどに乗り換えてもアドレスが使えるのか?は重要なポイントとなります。
今回はLINEMOでキャリアメールが使えるのか?という点について詳しく解説させていただきます。
目次
LINEMOでキャリアメールの新規発行はできない
最初に前提部分ですが、LINEMO自体はキャリアメールに非対応なため、契約をしても新規でアドレスを発行する事はできません。
LINEMOだけでなく、他のキャリア格安プランであるahamoとpovoも同様。これらの料金プランは様々なサービスを削ぎ落すことで内容を極力シンプルにすることで割安料金が実現できており、その削ぎ落とされたサービスの一つがキャリアメールです。
そのため、現在ドコモやauのキャリアメールを使ってるけどソフトバンクのアドレスを発行したい、キャリアメール自体を今持って無いので新しく持ちたいという場合は不可なのでご注意ください。
ただし、現在大手キャリアのキャリアメールを利用していて、乗り換え後もそのアドレスを継続して使い続ける事は可能となっています。
次の章で詳しく見ていきましょう。
LINEMOでキャリアメールを使う場合は「キャリアメール持ち運び制度」を利用する必要あり
LINEMOの契約をして新規でキャリアメールアドレスを発行する事はできませんが、2021年12月に開始した「キャリアメールアドレス持ち運び」の制度にり、現在では大手キャリアなどから他の通信会社に乗り換えをしても、それまで使っていたキャリアメールのアドレスを継続利用できるようになりました。
これにより、現在キャリアメールを使っている方に限り、このサービスを利用することでLINEMOでも同じアドレスを使い続ける事ができます。
キャリアメールアドレス持ち運びサービスが利用できるのは以下とおりです。
- ソフトバンクのキャリアメール
- ドコモのキャリアメール
- auのキャリアメール
- ワイモバイルのキャリアメール
- 楽天モバイルのキャリアメール
これらはのアドレスであればそれぞれのキャリアで手続きを行うことで、LINEMOでも継続して利用することができますよ。
メールアドレス持ち運び制度には利用料金が必要~コストがかかることを忘れずに
「メールアドレス持ち運び」制度によって、どのキャリアのメールアドレスも手続きさえ行えば別キャリアで継続利用が可能になりましたが、この制度を利用するためには利用料金がかかります。
- ドコモ … 月額330円
- au(UQmobile含む)… 月額330円
- ソフトバンク(ワイモバイル含む)… 年額3,300円、月額330円
- 楽天モバイル… 330円
このように、せっかく料金の安いLINEMOに乗り換えたとしても、追加で料金が発生してしまう点には注意が必要です。
各社での手続き方法を見ていきましょう。
ソフトバンクのキャリアメールをLINEMOで利用するには
ソフトバンクの回線を解約から31日以内に「My Softbank」から「Softbank ID」で申し込むことで、以下のメールアドレスをLINEMOでも利用可能となります。
【MMS】
- @softbank.ne.jp
- @●.vodafone.ne.jp※1
- @disney.ne.jp
- @y-mobile.ne.jp
- @willcom.com
- @pdx.ne.jp
- @●●.pdx.ne.jp
【Eメール】
- @i.softbank.jp
月額料金は3,300円/年か、330円/月の2つから選択できます。
支払方法はクレジットカードのみ、メール容量はMMS+Eメールあわせて200MB(約5,000件)です。
より詳細は下記記事でご確認ください。
ワイモバイルのキャリアメールをLINEMOで利用するには
ワイモバイルの場合はソフトバンクと同様に、回線を解約から31日以内に「My Softbank」から「Softbank ID」で申し込むことで、以下のメールアドレスをLINEMOでも利用可能となります。
【MMS】
- @ymobile.ne.jp
- @emobile-s.ne.jp
- @wcm.ne.jp
- @willcom.com
- @pdx.ne.jp
- @●●.pdx.ne.jp
- @y-mobile.ne.jp
【Eメール】
- @yahoo.ne.jp
月額料金はソフトバンク同様で3,300円/年、330円/月の2つから選択でき、支払方法も同様にクレジットカードのみです、
メール容量はMMS+Eメールあわせて200MB(約5,000件)です。
ドコモのキャリアメールをLINEMOで使用するには
ドコモも解約後でにドコモメールを継続利用することが可能です。
クラウドに保管されているメールデータもそのまま残すことができますが、ドコモのメールアプリは解約後に使用することができません。
ドコモの回線を解約してから31日以内の申し込み、ドコモ回線契約と紐づいた「dアカウント」が必要となります。
ただ、法人名義の回線のメールアドレスは対象外なのでご注意ください。
料金は330円/月ですが、初回申込み日から31日間は無料、31日経過後は自動継続となり料金が発生します。
auのキャリアメールをLINEMOで使用するには
au回線も他と同様に解約から31日以内の申し込みと、au回線契約に基づいて発行された「au ID」が必要です。
対象となるメールドメインは以下のとおりです。
- @ezweb.ne.jp
- @au.com
保存容量は400MB(5,000件)で保存期間は無期限です。au解約後も「auスマートパスプレミアム」「auスマートパス」に継続加入をしている場合は1GB(2万件)を無期限に保存できますよ。
料金は330円/月です。
楽天モバイルも楽メール持ち運びを提供開始!my楽天モバイルから申し込み可能
楽天モバイルの無料のキャリアメールサービス「楽メール」も、持ち運びについに対応し、月額330円で解約から31日以内に申し込みを行えば継続して利用することが可能です。
my楽天モバイルアプリの「楽メール持ち運びを申し込む」をタップするだけで申し込みができますよ。
解約についても「楽メール」項目の「楽メール持ち運びオプションの解約」からすぐに行なえます。
その他通信各社のメールアドレス持ち運び制度対応~MVNOの対応について
OCNモバイルONE/IIJmio/BIGLOBE/mineoなどのMVNOが独自に発行するメールアドレスはキャリアメールではないのでメールアドレス持ち運び制度の対象外です。
MVNOで使用していたメールアドレスは、解約/MNP転出後は使用できなくなります。
こちらもチェック!
キャリアメールは本当に必要?キャリアメールのメリットとデメリット
無料で使えるからキャリアメールを使っていたものの、「有料なら使いたくない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コストをかけてまでLINEMOでキャリアメールを使用する必要があるのかを考えてみましょう。
LINEMOでキャリアメールを使うメリット
- 信頼度の高さ
- 金融機関などの登録時にキャリアメールが推奨されている
- ガラケー(フィーチャーフォン)との連絡が可能
信頼度の高さ
キャリアメールのメリットの一つには信頼度の高さが挙げられます。
キャリアメールを取得するためには各キャリアに個人情報を提供して一定の審査に通過する必要があるので、わかりやすく言うとキャリアメール=ドコモなどの審査に通過した人、となります。
そのため、誰もが簡単に作成できるフリーメールとは信頼度が異なってきます。
金融機関などの登録時にキャリアメールが推奨されている
金融機関などの登録時にキャリアメールが推奨されていることはご存知でしょうか。
例えばゆうちょ銀行では、次のメールアドレスの登録を推奨しています。
携帯電話事業者 | メールアドレス(ドメイン名) |
---|---|
ドコモ | 「@docomo.ne.jp」「mopera.net」 |
au | 「@au.com」「@ezweb.ne.jp」など |
ソフトバンク | 「@softbank.ne.jp」「vodafone.ne.jp」など |
ワイモバイル | 「ymobile.ne.jp」「yahoo.ne.jp」など |
その他 | 「mineo.jp」「rakuten.jp」「rakumail.jp」 「uqmobile.jp」「ma.fiimo.jp」 |
参考資料:ゆうちょ銀行「メールアドレス」
https://www.jp-bank.japanpost.jp/direct/pc/mailadd/dr_pc_ml_apply.html
これはメリット①で説明をした信頼度の高さによるものですね。
ガラケーとの連絡が可能
キャリアメールのメリットとして、ガラケーとの連絡が可能という点も見逃せません。
ガラケーの場合はデフォルトの設定として、キャリアメール以外のアドレスが受信できないようになっている場合あり、フリーメールだと相手に届かない可能性があります。
もちろん設定変更をすることで受信できるようにはなりますが、そのためには相手にそれをお願いしないといけません。
このような手間をかける事なく、スムーズにガラケーへメールが送信できる点はメリットと言えます。
LINEMOでキャリアメールを使うデメリット
一方、LINEMOでキャリアメールを使うデメリットとしては料金が高くなる、という点が挙げられます。
LINEMOには2つの料金プランがありますが、前述した330円のキャリアメール利用料を支払うと、
- LINEMOベストプラン … 990円~2,090円+330円=1,320円~2,420円
- LINEMOベストプランV… 2970円~3,960円+330円=3,300円~4,290円
となります。
ソフトバンク/ワイモバイルの同等容量のプランと比較すると、キャリアメール利用料を支払っても充分に割安であることがわかります。
反面、支払い上限はありませんので使い続ける限り料金が発生し、1年で3,960円、3年で11,880円、5年では19,800円もの出費になります。
このコストがキャリアメールを継続利用することの対価として見合っているかは検討すべき点です。
キャリアメールの代わりにGmailなどに完全に乗り換えする事がオススメ
LINEMOに乗り換える場合はキャリアメールの代わりにGmailなどの利用をおすすめします。
これらのメールは以前よりもかなり一般的に使われるようになっていることと、現在ではアカウントを発行するのに電話番号認証が必要なので以前のように一人でいくつも自由に作れないので信頼性も高まっています。
無料でスマホとパソコン両方で使えるフリーメールが便利!しかも複数のメールアドレスを持てる
ガラケーの時代はWEBサイトも携帯用とパソコン用を分ける必要がありましたし、メールアドレスも携帯用とパソコン用がはっきり区別されていました。
その名残で、今でもキャリアメールはパソコンでの直接送受信することはできません(WEBメールとしてのサービスをPCから利用することは可能)。
一方、Gmailに代表されるフリーメールや、プロバイダーメールなどはスマホでもパソコンでも好きな端末で直接送受信が可能です。
また、フリーメールは通信会社を乗り換えても特に手続きは不要で継続して利用できますし利用料金は無料です。
手続きが必要で月額330円コストがかかるキャリアメールと、利便性が高いのに無料で使い続けられるフリーメールでは、利便性や経済性の優劣は一目瞭然です。
メールよりもSNSが中心~連絡ツールの主流はLINE、Twitter/Instagramのダイレクトメッセージも
そもそも、フリーメールも含めてメール自体の利用頻度が減っている状況もあります。
ガラケー時代のドコモ/au/ソフトバンクなどのキャリア回線を使用している間はキャリアメールでの送受信が中心でしたが、端末がスマホに移行したことでメールよりもSNSの利用機会が増加しました。
連絡のほとんどは「LINEトーク」という方も少なくないはずですし、TwitterやInstagramのダイレクトメッセージを利用する方も増えています。
そんな状況下で、毎月330円を支払ってキャリアメールを継続する意味は希薄になりつつあるといえます。
【まとめ】メリットもデメリットもあるから自分にとって必要なサービスか要検討
メールアドレス持ち運び制度を利用してLINEMOでのキャリアメール利用について様々な角度から検証してみました。
従来のメールアドレスがそのまま継続できることは確かに便利ですし、メリットもあるのは確かですが、有料で料金を支払ってまで使う必要があるのかは要検討です。
せっかく料金の安いプランに乗り換えてもそのメリットが薄れてしまうので、よく考えて利用するようにしましょう。