物理的なSIMカードなしでも通信ができるeSIM。
日本では最新のiPhoneやiPad、GoogleのPixelシリーズなどがeSIMに対応しています。SIMカードの郵送を待たなくても通信を開始できますし、料金が安いので様々な活用法があります。
現在は徐々に広がってきていますが、IIJmioは2019年7月に国内で初めてデータ通信用のeSIMを提供開始し、話題となりました。
そして2022年10月には待望の音声通話対応のeSIMも提供を開始。
物理的なSIMカードよりeSIMの方が便利ですから、今後eSIMは普通に使われるようになるサービスだと思っています。
ということで本記事では、IIJmioのeSIMサービスの特徴や料金、どんな方におすすめかについて解説します。
「eSIMの契約を検討している」という方はもちろんのこと「eSIMがどんなものが知りたい」という方もぜひ参考にしてみてくださいね!
最後まで読めばIIJmioのeSIMサービスもしっかり理解できるはずです。
目次
eSIMってそもそも何?
IIJmioでは2019年7月18日から個人向けのeSIMサービスが開始しました。
eSIM自体の提供は国内初だったものの、その後楽天モバイルを始め大手キャリアの格安プランahamo、LINEMO、povo、格安SIMのUQモバイルやYモバイル、mineoなど各社が音声通話可能なものを提供開始し、一歩遅れてる状態でした。
そして2022年10月についに音声通話も可能な音声eSIMの提供も開始され、他社と同様に使えるようになっています。
eSIMとは物理的なSIMカードがないSIMカードのこと、端末が対応していないとダメ
eSIMとはそもそも何かと言うと「物理的なSIMカードがないSIMカード」のことです。
通常のスマホでは、携帯会社と契約して手に入れたSIMカードを本体に入れなければ通信できませんよね?
しかし、eSIM対応のiPhoneやPixelなどであれば、eSIMを提供する携帯会社と契約することで、SIMカードのデータを本体に書き込んで通信をすることができます。そのため、物理的なSIMカードは不要となるのです。
物理的なSIMカードが不要となると、SIMカードの発行から郵送が無くなるため受け取りの手間も発生しませんし、契約を完了して対応機器にeSIMのデータを書き込むだけで、すぐに利用を開始ができます。
eSIMのデメリットは使える機種が限られること
eSIMのデメリットとして考えられるのはeSIM対応の機種がまだ少ない点です。
日本ではiPhone XR・XS以降やPixel 4以降などの対応機種を持っていない方は、まだeSIMを利用することできません。
以前に比べると随分対応機種は増えてきたものの、古い機種やAndroid端末の中には非対応のものもまだ多くあります。
IIJmioのeSIMの料金・概要
IIJmioのeSIMで選べるタイプとプランは2種類です。
料金やサービスの特徴など、概要をチェックしていきましょう。
音声eSIMは通常のSIMカードと同じ料金でギガプランが使える
IIJmioの基本的な料金プランは2~50GBの8種類から選べる「ギガプラン」となっており、音声SIMでも音声eSIMでも同じ料金で利用が可能です。
※この表は、右にスクロールできます
IIJmio 「ギガプラン」概要
月額基本料
850円
990円
1,500円
1,800円
2,000円
2,700円
3,300円
3,900円
データ量
2GB
5GB
10GB
15GB
20GB
30GB
40GB
50GB
低速時速度
300Kbps
通話料
11円/30秒
データ繰り越し
◯
5G対応
◯
IIJmioはとにかく料金の安さが魅力ですね。5G通信についても問題無く行うことができます。
なお、IIJmioはドコモ回線のタイプD、au回線のタイプAを扱っており、現在はどちらでも音声通話SIMのeSIMを発行可能になりました。(以前はタイプAのみ対応でした)
データ通信用eSIMのプランは2種類!
従来から提供されているデータ通信専用のeSIMについてはドコモ回線のタイプDのみとなります。
また、音声eSIMとは異なり5G通信が不可という点は注意が必要です。
プランは2種類用意されているのでそれぞれを詳しく見ていきましょう。
データ通信専用ギガプラン
1つ目は通常のギガプランです。
データ容量は音声通話用と同じ2~20GBの5種類。通話とSMS機能が無い分料金は割安になっています。
2GB | 5GB | 10GB | 15GB | 20GB | 30GB | 40GB | 50GB | |
データeSIM | 440円 | 660円 | 1,100円 | 1,430円 | 1,650円 | 2,640円 | 3,240円 | 3,840円 |
データSIM | 740円 | 900円 | 1,400円 | 1,730円 | 1,950円 | 2,340円 | 2,940円 | 3,540円 |
音声eSIMと比較をすると300円程度安い事も魅力ですね。
ここまで安くしちゃってIIJmioさん大丈夫?と少し心配になってしまいます(笑)
データプランゼロは「基本料165円+パケット追加」で使える!
もうひとつの「データプラン ゼロ」は基本料金が165円と激安です。
ただし基本料金だけでは通信できず、別途追加データ量を支払うことで1ヶ月最大10GBの高速通信が可能になります。
追加データ量 | |
1GB | 330円 |
2GB~10GB | 495円(1GBあたりの金額) |
つまり月1GB使うなら合計330円、2GB以上通信する場合は1GBごとにプラス495円かかります。
10GB使う場合は、総額4,950円ですね。
注意点としては、IIJmioの通常プランで使える低速モードへの切り替えはできないことが挙げられます。
例えば、
- 通信量が月によって変動する
- データ通信をほとんどしない月がある
- タブレットやノートパソコン用にSIMカードが欲しい
といった場合であれば、データプランゼロは非常にオススメです。
また、メインで使っているSIMの通信量がたまに足りなくなる人も、サブ回線としてデータプラン ゼロは活用しやすいかと思います。
IIJmioのeSIMに対応している端末
IIJmioのeSIMを利用出来るのは、SIMフリー状態である端末です。※以下は一部のみ
eSIM対応端末
- iPhone XS・XR以降の機種
- Pixel4シリーズ以降
- AQUOS sense7
- Xperia 1 IV
- Galaxy S23シリーズ
- Rakuten Mini
- Surface Pro LTE Advanced
- Surface Pro X
- 11インチiPad Pro
- 12.9インチiPad Pro・第3世代
- iPad・第7世代
- iPad Air・第3世代
- iPad mini・第5世代
- TransBook Mini(T103HAF-LTE、T103HAF-GR079LTE)
基本的にeSIMに対応している端末であれば問題ありませんが、IIJmio公式サイト上で以下の機種については動作ができなかった旨が記載されていたので気をつけましょう。
動作不可の端末
- NTTドコモ HT-03A
- SAMSUNG SC-01B
2021年9月以前に発売の大手キャリアで購入した端末はiPhone 13シリーズなど一部を除いて、SIMロックの解除が必要なので注意しましょう。
eSIM対応機種は徐々に増えてきましたが、まだ少ないので今後のさらなる普及に期待しましょう。
IIJmioのeSIM申込方法
IIJmioのeSIMの申し込みについて、Webと店頭での申込方法を紹介します。2つの方法で異なるところもあるので、自分がやりやすい方法を選んでください。
Webでの申込方法
Webで申込む場合は初期費用3,300円がかかりますが、エントリーパッケージを利用すると、初期費用無料で契約することが可能です。
音声eSIMにおいてはWeb申し込みのみとなります。
また、Web申込をする場合に必要なものは、
- 初期費用または月額料金の支払いに必要な「クレジットカード」
- 端末のセット購入をする時に必要となる「本人確認書類」メールアドレス
などです。
エントリーパッケージを持っている方は、忘れずに提出するようにしましょう。
申込の手順は公式サイトの指示に従っていけばいいので、必要とされる情報の入力や必要書類の提示など、表示される順番通りに行なってください。
ちなみに本人確認書類は「氏名・住所・生年月日の記載があり、IIJmio登録の情報と一致している書類」とされていますが、マイナンバーが入っているものは基本的に使用できません。
店頭での申込方法
店頭で申し込みが可能なのはデータeSIMのみ、以下の店舗で行えます。
- ビックカメラ
- ソフマップ
- コジマ
- ヨドバシカメラ
店頭申込ではエントリーパッケージが使用できないため、初期費用3,300円が必要になります。
また申込に必要なものはWeb申込と同じものを提示すれば受付してもらえるので、忘れ物がないようにしてください。
申し込みが終了すると、eSIMを書き込むためのプロファイルが提示されるので、後述するeSIMの書き込み方法で設定してください。
eSIMはどんな人におすすめ?
eSIMにはメリットもあればデメリットもあるので、おすすめな方はある程度限られてきます。
主に以下の3つに当てはまる方は、eSIMをうまく活用できるはずです。
- 大手キャリアのプランと合わせて使い、料金節約や両社のサービスを活かしたい人
- 最大10GBのデータ容量を追加・動画再生などで活用したい人
- すぐにSIMカードを使い始めたい人
なお、対応機種を持っていることは大前提となるのでご注意ください。
①大手キャリアのプランと組み合わせて、通信料金を節約&両社の便利サービスを活用したい方
大手キャリアで直接同程度の容量を使うよりも、定額プラン+IIJmioのeSIMのほうが安上がりになるケースがあります。
ドコモの「irumo」単体で9GB使う場合と、「irumo0.5GB+IIJmioのデータeSIM10GB」を組み合わせる場合で料金を比べてみましょう。
ドコモ単体とドコモ+eSIMの料金比較 | ||
プラン | irumo9.0GB | irumo0.5GB+IIJmioのデータeSIM(10GB) |
月額料金 | 3,377円 | 1,650円 |
ご覧の通り、通信用にeSIMを契約した方がデータ容量も多く、ドコモ単体より1,727円も安上がりになりましたね。
他にも、大手キャリア+IIJmioのeSIMの組み合わせでは、以下のようなメリットを受けられます。
- ドコモメールなど、大手キャリアのメールサービスを使える
- auやソフトバンクの回線+IIJmioのeSIMなら、2種類の回線を使えるので、片方が圏外でも通信できる可能性あり
キャリアの便利なサービスを利用しつつ、費用を抑えてお得に使いたい方にとってIIJmioのeSIMは役に立つかと思いますよ。
②最大10GBのデータ容量をプラス、スマホやパソコンで大容量通信を気兼ねなく楽しみたい方
データeSIMのデータプランゼロでは最大10GBのデータ容量を利用できるため、スマホやパソコンなどで大容量通信をしたい方にも最適です。
普段の動画再生やアプリダウンロードなどにおける通信消費量をチェックして、最適な容量の組み合わせでeSIMを契約しましょう。
eSIMなら持ち歩くスマホなどの機器が増えないので、モバイルルーター等の通信サービスに比べて管理が楽なのも嬉しいですね。
③面倒なSIMカード郵送なしで、すぐに通信を使い始めたい方
eSIMではSIMカードの郵送が行われないので、契約してすぐに利用開始したい方にも最適です。
例えば「あと100MBしか容量が残っていないので、SIMカードを契約して容量を増やしたい!」といった場面だと、家にSIMカードが届くのを待っていられませんよね。家電量販店などで契約するとしても、手間ですし、行くまでに容量が尽きてしまうかも可能性だってあります。
その点、eSIMならその場で契約・データのダウンロードをして利用開始できる(ある程度登録の待ち時間はかかるかもしれませんが)ので、荷物を受け取る待ち時間・移動時間が不要なのが便利と言えるでしょう。
eSIMの書き込み方法
お手持ちの端末に合わせた設定方法で、eSIMの書き込みを完了させましょう。
iPhone/iPadの場合
- 設定から「モバイル通信」をタップし、「モバイル通信プランを追加」を選択
- アクティベーションコードをカメラで読み込む(アクティベーションコードは、申し込み後に送られるメールから確認できます。)
- コードの読み込みが終わったら、次に「モバイル通信プランを追加」を選択
- 書き込みの完了を待ち、必要に応じて端末を再起動
- 書き込みが完了し、問題がなければ設定終了
再起動しても設定がうまくいかない場合は、お問い合わせ窓口にお問い合わせください。
なお、iPhone/iPadでeSIMの書き込みを行うケースでは、すでにIIJmioの接続を利用するために必要な「APN設定プロファイル」がされた状態となっているため、追加設定の必要はありません。
Androidの場合
- 設定の「モバイルネットワーク」の横に表示されている「+」を選択
- 「+」選択後に表示される「代わりに SIM をダウンロードしますか?」をタップし、「次へ」を選択
- アクティベーションコードをカメラで読み込み「有効化」
- 書き込みの完了を待ち、必要に応じてAPN 設定または端末の再起動を行う
- 書き込みが完了し、問題がなければ設定終了
APNの設定は、端末にデータ通信の接続先がプリセットされていれば、設定の必要はありません。
何か分からないことがあればiPhone/iPadと同様にお問い合わせ窓口でお聞きください。
IIJmioにおけるeSIMの注意点
ここからはIIJmioのeSIMを利用する際の注意点を紹介します。
契約して「利用できなかった」なんてことがないように、事前にチェックしておきましょう。
通常のSIMカードでも同じですが、eSIMをSIMロックがかかったキャリア端末で使用する場合にはロック解除が必要になることと、端末がeSIMに対応していない場合は利用できない点はここまでで解説してきたとおりです。
現在使っている端末がeSIMに対応しているかどうかは公式ページの動作確認端末から調べられますので、契約前に必ず端末が対応しているかどうか調べた上で、SIMロックがかかっている場合は各キャリアで解除を行いましょう。
eSIMの再発行には手数料がかかる
最も注意しなければいけない点として、eSIMを再発行する場合は音声eSIMのタイプDは433.4円、タイプAは220円、データeSIMの場合は220円のSIMプロファイル発行手数料が発生が発生します。
通常のSIMカードであれば機種変更の際にカード入れ替えるだけなので不要ですが、eSIMの場合は都度再発行が必要です。
SIMカードを入れ替えながら頻繁に端末を替えて利用するような事もできないので注意しましょう。
他社のeSIMであれば無料で再発行可能なものもあるので、今後同様に手数料無料になってくれる事に期待ですね。
実際にeSIMを利用してみてのレビュー
さて、ここからは実際にeSIMを利用してみての感想・レビューをご紹介します。
まず、感想を一言で言うと「めちゃめちゃ簡単」に尽きます(笑)
契約から利用開始までの手続きが簡単すぎて、びっくりしました。5分程度で利用開始ができて、手続きもとにかく簡単で革命的でした。
eSIMは契約後、iPhoneの設定内にある「モバイル通信」より「モバイル通信プランを追加」を選択します。
その後契約時に表示されたQRコードを読み込み、モバイル通信プランを追加するだけで完了です。
あとは、モバイルデータ通信を行う回線を選べばOKです。
すると電波マークの所が以下のような表示になります。
そうなんです。これまでの
- 申し込み後、商品が届くのを待つ
- SIMカードを入れる
- APN設定をする
といったステップは一切なく、申し込み後すぐに使い始める事ができます。とにかく簡単すぎて、笑いが出ちゃうほどでした。
実際のデータ通信も非常に快適ですし、利用していての問題は今の所1つもありません。早く音声通話SIMもこうなったらいいのに…と思っています。
ということでeSIMは「すぐにデータ通信を利用したい方」「面倒な手続きは嫌な方」にはとってもオススメだと思います。
また、データSIMで最低利用期間がとくにないため「今月のデータがなくなちゃった、どうにかしたい」という状況時も十分活用できますね。
まとめ:IIJmioのeSIMは驚くほど簡単に利用開始できる!対応機種を持っている方はぜひ!
今回はIIJmioで展開されるeSIMのサービスについて解説しました。
ポイント
- eSIMは物理的なSIMカードが発行されず、SIMカード情報をスマホに直接書き込んで通信できるサービス
- IIJmioではデータeSIMの他、音声通話eSIMも提供中
- データプランゼロは使いたい時にデータ容量を追加するプラン
- 利用できるのはiPhoneなど、eSIM対応の端末に限られる
少しずつ普及してるもののまだサービスの充実度は低めなeSIMですが、現時点でもキャリアの契約と併用したり、大容量通信で使ったりなどメリットが豊富です。
個人的には今後もっともっと盛り上がってくると思いますし、実際の利用が非常に楽しみです。
当記事も実際にeSIMを利用次第、使用感を追記していきますので、引き継ぎ参考にしてみてくださいね。